slingの健康日記

体と心の健康、たまに海外出張

実家に行って来た(1)

墓参りを兼ねて、日帰りで実家に行った。三軒分のお花を買ってお参りを済ませたあと、バス(全然ラピッドでないBRT)と電車を乗り継いで実家へ。家の前の通りまで杖を付いて出て待っていた。もう、駅の階段は登れないのだろう。
父親の方が少しぼけて来たらしく、昔の話と今の話がごちゃごちゃになっている。何十年も前に亡くなった健次郎さん(父の母の従弟)が元気かな、と言ってみたり。また、夢に出て来た話と現実の区別がつかないようで、県庁前の交番で外人のお巡りさんが黒いガウンを配って居るんだけれどお前、貰ったことはあるか?とか言い出している。その後、「sling(私)がずっとガリガリだったのに最近、体つきががっちりして来て筋肉が付いてきた」とも言っていた。おそらく、slingの高校時代に漕艇部(ボート部)に入り、体を鍛えていた頃、数十年前の話、それも、とうに亡くなった生母(1978年永眠)との会話が蘇ってきたのだろう。

ただ、受け答えがおかしいのは、自覚しているらしく「最近、ぼけたみたいで、へんなことを言いそうであまりしゃべらないようにしている」と言うので、「年寄りがぼけて何が悪いね!遠慮しないで大威張りでお話しなさいよ」と言って置いた。

日常生活にはあまり問題はないようで、買い物も、義母(再婚相手)に付いて行って荷物持ちをやっているので今のところは生活は成り立っているようだ。あと、最近よく、薬局や病院で見かける認知症啓蒙のポスターで「何を食べたか忘れるのはOKだけれど、食べたかどうか忘れたら要注意」と言う話をしたところ、父母ともに、大いに納得と言うか、興味を示していたが、困ったことに「最近、食が細くてほんの少ししか食べないからなあ、、、」とも言っていた。
いずれは専門家の指示を仰ぎたいのだが、無理に病院に連れて行ってショックを受けさせても逆効果だろうし、まずは経過観察と、それから周囲の人の準備だろうか。母親(義母)に小遣い一万を渡して来た。


(後記)12/23父親永眠。
(後記)2021年8/5、義母永眠。

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(後記)2021/9/12記。実家をお盆に訪ねたあと、秋口になって、父親から電話が来ている。「なんだか具合が悪くて。俺はもうとってもダメだ。一度、会いに来られないけ?」と言う内容だったと覚えている。そのときは、単に年寄りの愚痴だと思い、「しっかりしてくれよ」と言って電話を終えた。その数か月後に父親が亡くなってしまったのであるが、当時は、自分の死期が分かるほど具合が悪かったのかな、と思っていた。
しかし、義母も亡くなったあと、部屋を掃除していると、キッチンやその出口付近が異常に汚い。ガスレンジの周りは油だらけだし、収納のドアも全て汚れまくっている。
父親が亡くなったあと、お盆に行った際は、「最近は、もう、食事は向かいのスーパーで総菜を買って済ませている」と言いながら、買って来た寿司を自分にも勧めてくれた。つまり、キッチン周りの汚れは、父親が存命中に付いたものを思わざるを得ない。
すると、父親のあの電話は、自分の体調が悪いのも多少はあったかも知れぬが、母親の行動の異常を訴えるものではなかったか、料理をこぼしまくったり、吹きこぼれても放置、だとか。
母親の方が認知症になりかかっていて、父親が亡くなったことで、一時的に緊張感が高まり、認知症が抑えられたのではないだろうか。
今となっては確かめようもないので推論に過ぎないが、一つ言えることは、万が一、父親から最期の電話が来た際に、もし実感に行ったとしても何も出来なかったであろうと言うことだ。義母はヒステリーで自分の言うことなど一度たりとも聞くような人間ではなかったし、どうしようもなかったことが容易に察しが付く。あの時、実家に行かなくて本当に良かったと思う。